5筋歩取らせ中飛車
この記事では、5筋歩取らせ中飛車について駒組と狙いを解説します。
5筋歩取らせ中飛車とは
5筋歩取らせ中飛車とは、その名の通り、序盤早々に5筋の歩を相手に取らせる作戦となります。
それでは早速、初手から見ていきます。
5六歩、3四歩、5五歩、同角、5八飛、4四角
3手目に5五歩と突き、同角と相手に歩を取らせるのがこの戦法の出だしとなります。
この局面自体は将棋を始めたての頃に、一度考えたことはあるのですが、そのときは5手目の5八飛で、次に飛車が成れるのではないかと考えていました。
当然、4四角の一手でその狙いは防がれてしまい当時はそれ以上考えることはありませんでした。
しかし、今の目でこの局面を見直してみると、案外あるかもしれないと思うようになりました。
その理由ですが、主に以下の2点になります。
・飛車が軽そう
・4四の角を目標にできそう
基本の駒組
それでは、続きを見ていきます。
6八銀、8四歩、5六飛、8五歩、5七銀、6二銀
1つ目の注意点として、後手の8四歩を見たら、すかさず5六飛と浮きます。
変えて5七銀としてしまうと、8五歩から次の飛車先交換を受けることができません。
ここから、4四の角を目標に攻めを構築していきます。
4六銀、4二玉、7八金、3二銀、3六歩、5二金右、6九角
4六銀、3六歩、6九角のセットでこの戦法の駒組が完了します。
次の3五歩、同歩、同銀を狙っていくことになります。
5筋歩取らせ中飛車対左美濃
この記事ではこのまま、左美濃との戦いを見ていきます。
3一玉、3五歩、同歩、同銀、2二角
後手は3一玉と左美濃に囲います。
先手は狙いの3五歩~同銀を決行します。
最終手の2二角までで、後手は角の移動に3手を費やしていることになります。
それゆえ、後手は攻めの構築に手が回っていません。
3七桂、6四歩、2六歩、6三銀、2五歩、5四銀、2四歩、同歩、2六飛
後手は腰掛け銀から抑え込みを狙いますが、2六歩~2六飛で、左美濃の弱点である玉頭に狙いをつけなおします。
7四歩、4八銀、7三桂、2四銀、2三歩、同銀成、4四角、3二成銀、同金、3五銀、5五角
7四歩、7三桂の2手は緩い気がしますが、その間に先手は攻めを継続します。
4四角には、3五銀と打って弾いておくのが正解となります。
4八銀は、最終手の5五角のときに、3七の地点を受けるための必要な一手となります。
2二歩、同角、2四歩
2二歩は手筋で、同角と取らせ、2四歩と垂らしたときに、2二歩と受けることができません。
この垂れ歩までで、手元のソフトの評価では先手有利となります。
対左美濃はこの記事ではここまでとします。
今回は2筋からの攻めを見ましたが、3筋から袖飛車で攻めるパターンもあります。
調べた内容を都度、記事で紹介していく予定です。
後手が同角と応じない場合
4手目に後手が同角と応じない場合(例えば、6二銀)は、素直に5八飛としておき、通常の5筋位取り中飛車を目指す方針がいいと思います。
意地を張るなら6八銀ですが、これはあまりおすすめできません。
6八銀にそこで、5五角なら5八飛ですが、この場合は角を3三や2二に引く余地があり、角を目標にした攻めができなくなります。
これでは、歩損が大きく残るだけの展開になってしまいそうです。
今回の記事は以上になります。